こんにちは、椋 紅緒(むくべにお)です。
重度自閉症の次男(14歳)に「ちょっと待って」をお願いするシーンでは、タイマーアプリをフル活用しています。
中でも特にわが家で出番が多いのが、「絵カードタイマー」です。
絵カードタイマーだと待てる
次男が絵カードを使って何かを要求してきた際、どうしてもすぐに応じられない時は、このタイマーをセットします。

使い方はシンプルです。要求内容(絵カード)と残り時間をセットし、テーブルの見える位置にスマホを置くだけ。

さらに、スマホの画面をプロジェクターで壁に大きく投影しておくと、部屋を歩き回っていても常に視界に入るため、より落ち着いて待てるようになります。

なぜ落ち着いて待てるのか
なぜ「絵カードタイマー」がこれほどまでに効果的なのでしょうか。そこには自閉症スペクトラム(ASD)の特性に配慮した「視覚的支援」の重要な要素が含まれています。
1. 「何のために」待つのかが明確
自閉症の人の中には、耳からの情報(音声)よりも目からの情報(視覚)を理解しやすい「視覚優位」の特性を持つ方が多くいます。
通常のタイマーは「時間」だけを示しますが、絵カードタイマーは「待った後に得られる報酬(要求したもの)」が常に画面に表示されています。
「何を待っているのか」を視覚的に固定して提示し続けることで、記憶の保持が苦手なタイプのお子さんでも、目的を見失わずにモチベーションを維持できるのです。
2. 「見通し」による安心感
「あと少し」という曖昧な言葉は、彼らにとってゴールのないマラソンのような苦痛を強いることがあります。
絵カードタイマーで「減っていく円形のインジケーター」と「絵カード」をセットで見せることで、「これだけ待てば、必ずこれが手に入る」という因果関係が視覚的に完結します。
3. 感情のコントロール(自己調整)
残り時間が目に見えて減っていくことで、「まだかな?」という衝動的な不安が「あとこれだけ」という納得感に変わり、自分の感情をコントロールする手助けになります。
これによって「タイマーが鳴れば必ず要求が叶う」という信頼感が育まれていきます。
まとめ
思えば小さい頃は、要求がすぐに叶わないと激しい癇癪を起こしていました。 それが今では、タイマーを見ながら穏やかに待てるようになり、本人も家族も、そして支援者の方々も本当に助かっています。
その大きなきっかけとなったのが、この「絵カードタイマー」でした。わが家にとっては、生活の質(QOL)を支えてくれる、本当になくてはならないアプリです。